彼方へ

「クリス、そろそろみたいだね」

「う……ん、そうだね」

ん!?

「どうしたの?

 なんか元気ないよ。

 具合悪い?

 具合悪いんだったら休んでた方がいいよ。

 ここはあたしが見てるからさ。

 ね?」

そう言って、顔を覗き込んでみたら、クリスが思い詰めたような顔をしてあたしの事を見た。

そんなクリスは、今にも消えていってしまいそうに見えた。

クリスは、じっと、縋りつくような眼をしてあたしを見ていたけど、ふっと、その眼に緊張の色を浮かべて、何か言おうとした。

と、その時。

ルドルフの部屋の中からすさまじい音が響いて来た。

「今の!?」

一瞬顔を見合わせて、

……そして、あたし達は次の行動に移った。

「あたし、様子を見てくるから、クリスは王子達を呼んで来て!」

「待って、はるかっ!」

クリスの声を後に、あたしはルドルフの部屋のドアを開けた。

(だって、具合悪そうなクリスに様子を見に行かせられないもの)

すると、中では信じられないような事が起きていた。