何故、他人の為に、こんなにまでも一生懸命になれるんだ?

こうして背負って行く間にも、どんどん体温が下がってきている。

急がねば、死ぬかもしれない。

何故、そこまで。

……こんなになってしまってまで、オレを守ろうとするんだ?

使命だからか?

それとも……

「……早……く、逃げ……なゃ、……捕まっ……ちゃ……」

消え入りそうな声が、背中から聞こえた。

不思議な奴だ。

こんなに変わった女、今まで見たことない。

でも……

「悪くないな」