「泉っ!

 はるかは!」

そう言って走って来たのは、言わずと知れたクリスであった。

「あたしもさっきここに着いたんだけど、はるか達誰も来てないから……。
 クリスこそ一緒じゃなかったの!?」

もしかして、何かあったのかも……。

そう考え、クリスは走り出した。

「ちょっと、クリス?

 どこ行く...ちょっと待ってっ!

 あたしも行くわっ!!」

もしもはるかに何かあったら、何かあったらっ!

その時はあの王子、許さないっ!

もとはと言えば、あの王子が素直にしなかったのが悪いんだっ!

ボク達と協力してれば、そもそも誘拐なんかさせなかった。

それを……それなのにっ!

クリスは昔から勘が鋭く、誰かの危機の時にその力はより一層鋭くなる。

特に、はるかの事となると、一段と鋭く感じるのだ。

この“シリウス”へ来てから、特に強く感じる様になっていた。

不安……。