毒矢!

王子を守らなきゃ!

あたし、とっさにそう思って王子を突き飛ばしたの。

これで王子には刺さらな……ん!?

ってことは、ってことはよ。

王子を突き飛ばしたあたしは、元、王子の居た所に……。

きゃあっ、さっ刺さる~っ!!

グサッ。(注、刺さった音)

毒矢が刺さった瞬間、一瞬、何が起きたのか解んなかった。

それから……だんだん意識が遠くなってきた。

「あはは。

 やっぱ、あたしじゃ王子を守るなんて無理だったみたい。

 ……この先まっすぐ行くと、抜け道の入口があるから。

 ……多分……泉とクリスが居ると思うから……」

精一杯頑張ったけど、それ以上はどうしても声を出す事が出来なかった。

だんだん毒が身体中に回ってるみたい。

……なんか眠いなぁ。

「おい!大丈夫か!?

 しっかりしろっ!」

耳元で、そう聞こえた気がしたけど、もう、あたしにはそれ以上何も聞こえなくなっちゃった……