彼方へ

でも、それに対してクリスは、

「解った。さっきの抜け穴の所で会おう!」

そう言って、泉の方を気にして動かなかったあたしを引っ張って走り出した。

「ねえっ!

 泉がっ!」

あたしはそう言って戻ろうとしたんだけど、クリスはその手を離してくれなかった。

「行こう!」

そう言って、クリスはあたしを強引に引っ張って走って行った。

それから暫らく、あたし達は色々な所を走り回った。

あちこち行っている最中、クリスがあたしに聞いてきた。

「ねえ、はるか。

 はるかは、この星に来て良かったと思ってる?」

突然のその質問に戸惑ったけど、あたしは何とか自分の思った事を答えた。

「良かったかって……。

 そりゃ、ここでは色んな事があって凄く大変だし、怖いと思う時もあるけど、でも、後悔なんて全然してないわ
 
 でも、何でいきなりそんな事聞くの?」