彼方へ

「どうやら、王妃様が何か知ってるってのは本当らしいわね。
 
 これから王妃様の所に行って聞いてみよう?
 
 それで、王子を助けに行こう!」

あたしがそう言うと、クリスと泉は顔を見合わせて言った。

「はるかって、底なしに元気なのよね……」

いいじゃないのよぉ……。



かくして、あたし達3人は、王妃様から聞いた場所へ、ルイス王子を救出すべく向かったのだった。

王子が捕われているのは、北にある“魔宮”と呼ばれている場所で、今までにそこへ行って戻った者はいないと言われている所だった。

そこへ行くってことは、イコール“死ぬ”って事と同じ。

それくらい恐ろしい所なんだって。

ぞぞぞっ。

なっ、なんか寒気がしてきたみたい。

「見えて来たよ」

かなり緊張した感じで、クリスがそう言って指さす。

ううっ。

やっぱ“魔宮”って言うだけあって、不気味な感じねぇ。

建物全体から漂う雰囲気が全てを物語っているっていう感じ。