彼方へ

まあ、幸いな事に、クリスが居るときはおとなしいからいいけど。

でも、あたしと2人になると、それは、すさまじいものがあるわね。

「大体っ!
 
 何だって文句言われなきゃなんないわけ!?

 感謝されても文句言われるような事はないわ!」

「あなたって、何にも解ってないのね。

 クリス様ってば、こんな女に惑わされて。

 そうでなければ趣味が悪いにも程があるわね。

 ああ、可哀想なクリス様っ!」

「話を変えないでよっ!

 あなたがクリスを好きなのは勝手だけどね。

 いくら相手にしてもらえなくて口惜しいからって、あたしに当たる事ないでしょっ!

 いくらあたしに言って来られたって、こればっかりはどうしようもないのよっ!

 解ったっ!?」

「解ってないのはあなたの方だわ。 

 鈍感! 

 あなた、何っにも解ってないわっ!

 もうっ!あなたが居るから、クリス様が振り向いてくれないのよっ。

 だからあなたのせいなのよっ!」

今朝からこんな調子で、せっかくの朝食を食べないうちに昼食の時間になっちゃった。