あたしがそう言うと、

「それなんだけど、何故だか王妃様はその事を隠したがっているらしいって。

 僕が聞いたところによると、一連の事件が起きる様になってからというもの、王妃様は元気がないんだって」

ふうん。

「でもさ、聞いてきたって言ってるけど、誰に?

 それに、それって信用出来るの?」

だってね。

信用出来る証言じゃなかったら、それを基に調べる訳にはいかないからね。

あたしがそう言うと、クリスは、

「多分大丈夫だと思うよ。

 だって、これを教えてくれたのは、ルイス王子の妹のレイリア姫なんだ。

 レイリア姫は、この事を僕達に知らせても、何の得にもならない筈だ。

 もし、自分が王位を望むとすれば、不利にさえなる情報だ。

 レイリア姫がよっぽどの策略家でもなければね。

 でも、まだ13歳だっていうし、多分そんな事考えないだろうからね。

 だから大丈夫だと思うよ」

なるほど……

まあ、クリスが言うのなら、ほぼ間違いじゃないだろう。