「執務中なんだ。

 出て行ってくれ」

と言って、追い出されたりもしたけど、

お茶とお菓子を持って行って、

「お茶にしません?」

って誘ったり。

「今日はとっても良いお天気ですよ。

 庭に出てみません?」

とか言って、少しでも元気が出るように頑張った。

でも、そうやって毎日毎日行っているうちに、ここに来た当初よりは随分と良くなったのよ。

だって、初めなんて、ろくに話もしてくれない状態だったのに、今は、あんまり返事はしてくれないけど、とりあえずは聞いてくれるようになったもの。

これは随分進歩したわ。

この調子で頑張るぞっ!

って決心したあたしは、早くもそれを試される事になるなんて、この時はまだ思いもよらなかったのだった。