彼方へ

不思議と、王子は何故あたし達がまだ“シリウス”に居るのかなどとは聞いてこなかった。

それで、あたしはひとまずほっとした。

もう涙も止まって、だいぶ落ち着きを取り戻していたから、あたしは思い切って話しかけてみる事にした。

「あたし達にも手伝わせて下さい」

あたしがそう言うと、王子は私の眼をじっと見てから、ふと目を逸らせた。

「足手まといにならないように頑張りますから。

 余所者って思ってるかも知れない。

 この星の人間じゃないのに信じられないって。
 
 けど、昔は同じ地球人どうしじゃないですか?

 それにあたしは、一応、石に選ばれた巫女。
 
 あたし達3人は“あなたの国”を救う手助けをするために来たの。

 だから、一緒にやりましょう? 

 ね?」

王子は黙って聞いていたけれど、やがて、凍りつく様な視線をあたしに向けて言った。

「話が澄んだのなら出て行ってくれ。オレは忙しいんだ」

そう言うと、私の眼をじっと見て、

「オレは誰の力も借りない。
 
 自分の国は自分で救ってみせる!」

そう言い放った王子の瞳には、孤独の影が潜んでいた。