なんかこれじゃあ、調査を依頼された探偵って感じだね。

国を救うためにやって来た巫女、もしくは救世主って感じじゃあ全然ない。

それもあの、かなり屈折している王子の為によ。

なんとなく、虚しさが漂ってる気がするけど、あたしは、あたしのやるべき事をやるつもり。

引き受けたからには最後までやるべきだと思うのね。

それに、あの王子が何であんな表情(かお)したのか気になるし。

どうせなら、何とかしてあげたいもの。

泉には、よくお節介って言われるんだけど、やっぱりそうなのかな?

うーん。

否定できない自分が悲しい……。

ま、とりあえずそんな訳で、あたし達は行動開始することにしたの。



行動開始! 

とは思っても、あたし達ここの事って、フェルミナさんが教えてくれたあの事件の事以外、ほとんど知らなかったのよね。

一番、知らせてくけなきゃなんない筈の王子はあんな感じだから、聞こうにも全然取り合ってくれない。