考えてたら、何だか腹が立ってきた。

「あの。あたし達は何をすればいいんですか!?」

これでも精一杯、礼儀正しく言ったつもりなんだけどね。

「お前達にやってもらうことなど何もない。
 
 よそ者に手伝ってもらわなくとも、自分の国ぐらい自分で何とかする。
 
 帰ってくれ」

何て失礼な態度なの!?

そう思って、じっと王子の方を見ていると。ふっと王子があたしの方を見た。

あたしと眼が合うと、王子はすかさず眼を逸らせた。

その時、王子の瞳の中を孤独の影が駆け抜けるのをあたしは見逃さなかった。


何!? この人。


こんなに大勢の人達に囲まれているのに、どこか寂しそう。

孤独……なんだ。

自分しか信じられない。

だからこんなに寂しそうなんだ。

その寂しさを誤魔化すためにあんなに強がって……。

本当は強そうに見えて、とっても弱い人なのかも知れない。

満たされていないんだ……きっと。