「詳しい事は、直接王子から聞かれた方がよろしいかと」

王子様ねぇ。

何だか童話の世界みたいだわ。

シリウスに到着してまず思ったのは、

なんて綺麗な所なのっ!

って事。

まるで、ヨーロッパの童話に出てくるおとぎ話の世界に迷い込んだよう。

王子がいるというお城へ向かう馬車の中から見た街並みは活気に溢れている。

素敵っ。

おとぎ話の世界だぁ……。

あたし達が周りの景色に見とれていると、フェルミナさんが

「着きましたよ」

そう知らせてくれた。

いくつもの門をくぐり、着いたのはとても大きな白亜のお城だった。

所々に蔦が絡まり、その蔦がお城を彩っていた。

そして、高い塔がいくつもあり、その上には赤い屋根がのっている。

やっぱり、おとぎ話の世界だぁ……。

こんなお城に住んでいる王子様ってどんな人なんだろう?

「王子って、どんな方なんですか?」

やっぱり、おとぎ話に出てくるような感じなのかな?

そう思ってフェルミナさんに聞いてみると、

「お会いになれば解りますよ。」

……。