しつこい奴らだ。
まったく、こうも毎日刺客を差し向けてくるとは暇な連中もいたものだ。



城へ戻ると、何かいつもと違った感じがした。

「何事だ?」

そう尋ね、仕留めて来た魔物を兵に渡し始末しておくよう言いつけて城の中へ進んだ。

そして、女官達が話している所へ行き再び尋ねる。

「これは一体何の騒ぎだ?」

聞かれた女官は、一瞬その美しい瞳に正面から見つめられ放心状態だったが、何とか気を取り直しながら答える。

「あ、あのっ、これはもうじきフェルミナ様が戻られるとの連絡が入ったものですから、皆、落ち着かないだけかと……」

そうか、フェルミナが戻って来るのか。

例の巫女とやらを連れて……。



……数日前。

「そんな者の助けなど必要ない。

俺の国は、自分の手で救ってみせる!」

「ですが王子」

「オレには無理だというのか!?」

「そういう訳では……」

「とにかく、そんな者に助けてもらうつもりはない」

随分とフェルミナを困らせたりしたな。

さてと、どんな巫女を連れて来るのか……。