「王子っ、ルイス王子ーっ! 何処へ行かれるのですっ!? 護衛もつけずにお出かけになっては危のうございますっ!」
後ろから女官が止めようとする声に振り返りもせず、ルイス……次期国王は馬を走らせた。
彼の父であるラルフ・マルクス王が死んでからというもの、彼を暗殺しようとする動きに対して、宮中はどこか落ち着かない雰囲気を漂わせていた。
どの位走ったのだろうか?
いつの間にか人の住んでいる所から少し外れた森の近くまで来ていた。
近くにあった湖の畔で馬を休めていると、後ろの草むらで何か物音が聞こえた。
振り返って見ると、その中に二つの光る眼を見つけた。
刺客?
彼がそう思い身構えた途端、その二つの眼は、まるでそれが合図であったかのように飛び出してきた。
それは狼のような姿をした魔物で、耳は尖り口からは鋭い牙を剝き、四本の足からはその一撃で大熊さえ殺せそうな程研ぎ澄まされた爪が生え、その眼には残忍な光を宿らせ、彼の方をじっと睨んでいた。
後ろから女官が止めようとする声に振り返りもせず、ルイス……次期国王は馬を走らせた。
彼の父であるラルフ・マルクス王が死んでからというもの、彼を暗殺しようとする動きに対して、宮中はどこか落ち着かない雰囲気を漂わせていた。
どの位走ったのだろうか?
いつの間にか人の住んでいる所から少し外れた森の近くまで来ていた。
近くにあった湖の畔で馬を休めていると、後ろの草むらで何か物音が聞こえた。
振り返って見ると、その中に二つの光る眼を見つけた。
刺客?
彼がそう思い身構えた途端、その二つの眼は、まるでそれが合図であったかのように飛び出してきた。
それは狼のような姿をした魔物で、耳は尖り口からは鋭い牙を剝き、四本の足からはその一撃で大熊さえ殺せそうな程研ぎ澄まされた爪が生え、その眼には残忍な光を宿らせ、彼の方をじっと睨んでいた。