──次の日。

あたし達は、地球に帰る事になった。

泉とクリスに、結論を話すと、2人とも、ただ黙って頷くばかりだった。

帰り間際になって、ルイスがあたしに、綺麗な銀色のリングを右手の薬指にはめてくれた。

「約束の印だ」

そう言った、ルイスの照れたような笑顔は、どんなものよりも素敵に見えた。

そう“シリウス”の輝きよりもね。




帰りの宇宙船の中で、あたしは何度も“シリウス”に向かって、さよならと、また来るわとを、繰り返し繰り返し、心の中で言い続けたのだった。