そして、戴冠式当日。

お城の中は、まるで、おもちゃ箱をひっくり返したような騒ぎで、いろんな人が、あちこちを行ったり来たりしたいた。

あれから1週間。

お城の中では、準備のために、皆忙しそうだった。

あたしもあれこれ手伝ったりして、やっとここまで来たわけである。

こういうのって、けっこう感動するのよねーっ!




やっぱり、新しい王様が誕生するところを見ようと集まって来る人が大勢いるのよね。

その日は、街の人口が5倍近く増えたぐらいで、そりゃもう、凄い騒ぎ。

シリウス中の人が注目する中、ルイス王子は王様になった。

額に冠を被った王子は、王に相応しい威厳と高貴さとに満ち、輝いていた。




戴冠式の後、あたしは王子(つい癖で呼んじゃうのよ)に、1週間考えて出した答えを伝えるべく、王子の部屋にやって来た。

「どうぞ」

ノックをすると、中から響きのいい声で返事が聞こえた。

部屋に入ると、王子は、長いソファにゆったりと腰かけていた。