「そんな事ないと思いますけど。

 ……お兄様が言ってましたわ。

 あなたに救われたと。

 それに、自分には、あなたが必要だって」

「王子が?」

「ええ。
 
 あなたがここへ来る前、お兄様は、毎日のように部屋に閉じこもって、何か考え事をしているみたいでした。

 でも、あなたがここへ来て、お兄様は、今まで自分が求めていたものを見つけたと言いました。

 確かに、あなたに出会ってから、お兄様は変わった。

 生き生きとした表情をするようになったわ。

 あなたのおかげで、お兄様は、素晴らしい王になると思う」

「そうね。
 
 ルイス王子なら、きっといい王様になるわね」

あたしがそう言うと、レイリア姫は、それじゃあって言って、自分の部屋に戻って行った。

あたしも、自分の部屋へ戻る事にした。

ベッドに横になって、あたしは色んな事を考えながら、眠りに落ちていった。