「ごめん。

 あたしってニブいから、クリスの気持ち、全然解ってなくて。

 いっつも、1つの事で手いっぱいになっちゃって、回りを気にするゆとりがなくて。

 それで、クリスを悩ませちゃってたみたいで……ごめんね。

 もっと、周りの事も考えてなきゃいけないって思う。

 今まであたしがしてきた事で、クリスの事、傷つけたりしてたらごめ……」

そこで言葉が途切れたのは、クリスがいきなり腕を伸ばして、あたしを抱きしめたから。

クリスがいきなりこんな事するなんて驚いた。

あたしはクリスを、理性的で優しい人だと思っていたから、いきなりこんな事をするとは夢にも思っていなかった。

「……はるか」

耳元で、そう囁かれたのを感じて、あたしは思わずポーっとしてしまった。

「そのままの方がいい。

 今のままのはるかが一番だよ」

クリス……。

「ボクはね。

 初めてはるかに逢った時から、ずっと君の事が好きだったんだよ」

……。