見渡す限りの闇。
「うっ、ぐっ…」
「痛い!ぜっ全身が」
「俺は死ぬのか?」
「こんなどこかもわからない所で?」
「嫌だ!嫌だ嫌だ嫌だぁぁぁ!!」
彼は這った。
行くあても無く、現実逃避するかのように這った。


どのくらい進んだのだろうか?
彼の体力はもう底をつきそうだ。
「もっ、もうダメだ。」

「希海は元気かなぁ?」
「どうしてるんだろう?寂しくて泣いてるんじゃないかなぁ?」
「希海。真希ちゃんの言う事をよく聞いて、しっかり元気に生きるんだぞ!」

「真希。希海の事、くれぐれも頼むぞ!」
「希海ぃぃぃ!!」
「真希ぃぃぃ!!」