…雪。
初雪。
きらきら光る雪。
冷たい雪。
あなたに会った日、
つめたくてあたたかい日だった。
ー私は駆け出した。
あの日、あの時
…あの場所へ行くために。
きらきら光る雪。
冷たい雪。
雪の中に居たあなたは、
あなたの笑顔は光り輝いていた。
私に気付いたあなたは
こちらへ向かってくる、笑顔で。
「どうしたの⁇」
そう、声をかけられた。
低い太い声だった。
「名前は⁇なんて言うの⁇」
あなたは話しかけてくれた。
何もできない、何も言えない私に。
『冬菜…高原冬菜…。』
私はそう答えた。
「冬菜。いい名前だね。」
あなたは微笑んで言った。
「君にぴったりな名前だね。」
続けてそう言った。
下を向いてる私の顔を
覗き込むようにしてみた。
そしてあなたは微笑んだ。