桜の蕾が開き始める頃、わたしは卒業式を迎えた。 母が選んだサクラ色の着物と碧色の袴を着けて、もう学生気分ではいけないのだと、凛とした気持ちでいた。 それぞれ別の進路を選んだ友人たちと別れを惜しみ帰路に着いた。