恋愛コンプレックス



ありえない。ありえないよ。






だって、長谷川と仲直りしてない。





長谷川の優しい声、聞けてない。







『天瀬』




って




少し目を細めた笑顔で、あの愛しい声で





名前すら




読んでもらってない。






フラれてもよかったから。




返事をちょうだいよ。







「~っ・・・!」





涙がポロポロと溢れだしてくる。











「あの・・・」





後ろから声が聞こえてきた。





「は、長谷川!?」