「逃げてるだけじゃ、なにも始まらないんじゃない?」 「逃げてる、だけじゃ・・・」 確かにその通りかもしれない。 長谷川のことも、 雫たちのことも───。 「ってか、翔のくせに、いいとことりすぎ・・・」 グスッと鼻をすすりながら翔につっこむ。 「梨乃が甘えてくれるようになったからね」 「────っ。翔・・・!」 「照れてるの?」 「ちっがう!」 ほんとはすごい感謝してるけど いまはちょっと 秘密にしておこうかな。