「だって、長谷川のお母さんだから」





俺は絶句した。



「きっと、優しい人だったんだよ。出ていったのにも、何か理由があるんだと思う。」



「何だよ・・・それ」


俺の母さんが優しい?


天瀬は頭大丈夫かよ。



ありえない。優しいなんて。



俺を捨てたんだ。




俺は嫌いなんだ。



「だって、優しいお母さんじゃなきゃ、こんな優しい長谷川は生まれてこないだろ?」



天瀬は大陽のような笑顔で笑う。






「私は長谷川のお母さん。大好きだぞ。長谷川を、産んでくれたんだから」






やばい




泣きそう。