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本当に
こんな女ははじめてだ。
"絶対に諦めたくない"と言っている。
俺のなにがいいんだよ。
俺の過去も知って、ひどいこともした。
押し倒して、無理矢理キスして、犯そうともしたんだぞ・・・。
でもこいつは、俺のことを好きだと言っている。
なんの迷いもない、真っ直ぐな瞳で
俺を好きだと言ったんだ。
「・・・あのさ。」
沈黙のなかで、天瀬が口を開いた。
「なんだ?」
俺の口調も少し穏やかになった気がする。
「私、長谷川のお母さんの話聞いたけど、長谷川のお母さん嫌いになれなかった・・・」
「・・・どういうことだよ?」
俺も父さんも嫌いな女を
天瀬は・・・嫌いになれなかっただと?

