恋愛コンプレックス



「長谷川くんも綺麗な黒髪だよね~」



「は・せ・が・わ・ね!」


「雫?変なところ強調してない?

気のせいかなぁー?」



私がにっこり笑うと


「き、気のせいじゃないですかねぇ・・・」



雫がたじろぐ。





「ぷっ」


ちょっと、面白いかも。





すると、男子たちが戻ってきた。



誠也さんは、男子って感じがしないけど



『"片倉さん"って。

堅苦しいから"誠也"でいいよ』



あの時の笑顔には


雫が惚れるのも納得。





「よし!今度は男女で泳ぎにいこう!」


雫が立ち上がった。



復活早いな。






私もいこう、と思って立ち上がると



「ねぇ」



南に手を引っ張られた。



「・・・南?」



「ねーみんなー!ちょっと委員長に話があるから俺ら残るねー」


「・・・は?」




「おっけー!」




そう言って雫たちは行ってしまった。





残ったのは私と南二人。









「話って・・・なんだ?」




先に口を開いたのは



私だ。