恋愛コンプレックス



「落としたのか?」


落ち着いた声色で聞くと



女はコクリと頷いた。








俺は走り出した。



通りがかり、直樹が笑ってこっちを見ていたけど、スルーした。





明日から俺のイメージはどうなるんだろう。



孤立するか?



大丈夫か。直樹がいるから。



別に、モテたいわけじゃない。



ありのままの方が、楽だろう。






だから。


今は。











天瀬を──────。