「ねー、汐菜聞いて聞いて!!」
あのダブルデートから数日がたったある日、私はいじめっ子だった一人にある話を聞いた。
それを聞いた私は、猛ダッシュで隣のクラスや廊下を覗き回り、屋上についてやっと息を漏らした。
「あれ?汐菜じゃん」
そう。
私をここまで動かしたのは千尋だった。
「なんで…」
「あ、気にしないで」
私が聞いたのはこんな内容だった。
千尋が誤って落とした
《上北爽ノート》
を拾った千尋のクラスメートが自分たちに嘘をついていたことをみんなに言い触らすため、黒板に磁石で貼付けた。
それに気づいた千尋は、恥ずかしさと悔しさのあまり教室を抜け出して屋上にいる、というような内容。
「…なんとなくわかってたんだ。」
そう言いながら、ノートを一枚一枚破り始めた。
「千尋ッ−」
「来ないで!」
近付こうとした私に、冷たく言い放った千尋の頬には一筋の涙が流れていた。
「しょうがなかったの!きっと神様のお告げなんだよ!『もうこんなことはやめなさい』って…
ノートはずっと破られ続けている。
「最初からこんなことしなきゃ、良かった…ッ−」
「…千尋、私は楽しかったよ」
「えっ…?」
ノートを破り続けていた手を止めて、千尋は顔を上げた。
「私は、このノートがきっかけで、千尋と知り合えてダブルデートできて、楽しかった。…千尋はちがうの?」
「…そんなわけないよ!」
「千尋…」
「わたし、本当は…本当はまだ爽とわかれたくなかったよぉ…!!」
そう言って泣きじゃくる千尋を抱きしめながら、私も泣いていた。
そして生まれて初めて、授業をサボった。
あのダブルデートから数日がたったある日、私はいじめっ子だった一人にある話を聞いた。
それを聞いた私は、猛ダッシュで隣のクラスや廊下を覗き回り、屋上についてやっと息を漏らした。
「あれ?汐菜じゃん」
そう。
私をここまで動かしたのは千尋だった。
「なんで…」
「あ、気にしないで」
私が聞いたのはこんな内容だった。
千尋が誤って落とした
《上北爽ノート》
を拾った千尋のクラスメートが自分たちに嘘をついていたことをみんなに言い触らすため、黒板に磁石で貼付けた。
それに気づいた千尋は、恥ずかしさと悔しさのあまり教室を抜け出して屋上にいる、というような内容。
「…なんとなくわかってたんだ。」
そう言いながら、ノートを一枚一枚破り始めた。
「千尋ッ−」
「来ないで!」
近付こうとした私に、冷たく言い放った千尋の頬には一筋の涙が流れていた。
「しょうがなかったの!きっと神様のお告げなんだよ!『もうこんなことはやめなさい』って…
ノートはずっと破られ続けている。
「最初からこんなことしなきゃ、良かった…ッ−」
「…千尋、私は楽しかったよ」
「えっ…?」
ノートを破り続けていた手を止めて、千尋は顔を上げた。
「私は、このノートがきっかけで、千尋と知り合えてダブルデートできて、楽しかった。…千尋はちがうの?」
「…そんなわけないよ!」
「千尋…」
「わたし、本当は…本当はまだ爽とわかれたくなかったよぉ…!!」
そう言って泣きじゃくる千尋を抱きしめながら、私も泣いていた。
そして生まれて初めて、授業をサボった。