そしてとうとう、約束の日になった。

「おはよーっ」

「おはよ!」

私たちは挨拶してから、お互いの彼氏を紹介した。

上北爽くんは、野球部に入っていて、黒髪。頭も良いらしく成績はいつもトップクラスらしい。

「なんか出来すぎてる彼氏じゃない?」

私がそう言うと、千尋はノートを取り出して、

〔頭が良い〕

というところに二重斜線を引き、その下に

〔遅刻常習犯〕

と書き直した。

爽くんは照れたみたいに、頭をかいた。

「さてと、遊園地行きますか」

私と翔平で散々討論した結果、遊園地になった。
それを千尋に連絡し、爽くんもオッケーということで遊園地に決定した。

「じゃあ、やっぱ最初はジェットコースターで!」

遊園地に着くと翔平のリクエストで初っ端からジェットコースターに連れ込まれて、その次はコーヒーカップ(これは千尋のリクエスト)など目の回る物ばかり乗らされてしまった。

「うっ…」

「汐菜、大丈夫ぅ?」

私は乗り物酔いしやすいため、やはり休憩することになった。

「ごめん、私のせいで…」

「わたしが連れ回しちゃったからだよー!」

「とにかく俺たち、飲み物買ってくるわ。」

「お、お願い…」

千尋は翔平と爽くんを見送ると、私に言った。

「…汐菜はさ、いつサヨナラするつもり?」

「え?」

「だからさ、わたしたちは現実にいるじゃん?で、爽たちはわたしたちの妄想の中にしかいないじゃん」

「…」

「いつまでも、妄想の中で生き続けるのは無理なんじゃないかな。」

「…」

千尋の言ってることは全部正しくて、私の胸を突き刺した。

「汐菜…」

「千尋、今はデート中だよ?目一杯楽しもうよ」

「…そうだね。」

今は…今だけは、考えたくなかった。

−いつか翔平と別れなければいけない日がくるってこと。

少しして、翔平と爽くんが戻ってきた。
その後も私たちは散々乗り物に乗りまくって、最後に観覧車へ乗ろうということになった。