話によると彼女の名前は、岩田千尋。私の隣のクラスにいるらしい。

「最初はね、少し抵抗があったんだけど…なんだかなれちゃったみたい」

そう言って千尋は笑った。だけどその笑顔はどこか寂しそうだった。


「そうだ!」

しばらく黙り込んでた、千尋はパッと顔をあげていった。

「今度、ダブルデート行こうよ」

「へ?」

「だから!わたしと、汐菜と、爽と、翔平くんの4人で!!」

「…いいよ、行こう!」

私は、思わず返事をしていた。


「…でね、ダブルデートってことになったんだけど、どう?」

私は家の近くの公園で翔平と話していた。

「ふーん…」

「なに?」

「なんか…」

「?」

「汐菜が笑ってるところ久しぶりに見たかも。」

「えっ」

言われてみればそうだ。
このところ、翔平の設定で忙しくて、いつも疲れていた。

「そうと決まれば、どこ行く?」

どこか翔平も嬉しそうで、私は嬉しかった。

「んーとね、今のところは…」

結局私と翔平は4時から門限6時半までしゃべり続けていた。