その次の日、私たちは出会った図書館で別れた。
昨日の夜から降り出した雨が、降り続いていた。

「汐菜、これ…」

そう言って渡されたのは一枚の手紙。

「あとで読んで」

「うん…」

「それじゃ…」

そう言って翔平が一歩踏み出した瞬間、雨がさあぁっと上がった。

「あ、止んだ…」

そして空を見上げると、大きな虹がかかっていた。

「キレイだね」

そう言って前を見たら、翔平はすでにいなくなっていた。

初恋は、私の1番最初で、きっと1番輝いていた恋だと思った。

「さようなら…」

もう一度呟いて私は、くるりと向きを変えた。

またいつか会える日まで…

妄想彼氏。