居なくなった隣の君



靴を脱いで急いでリビングに向かう


「優太!!」


そこには予想が当たったかのように

うずくまる優太


「大丈夫!?」急いで

優太の元に駆け寄る


膝や腕に所々出来ている


青紫の痣…痣…痣……

「どうしたんだよ…?」

声を絞り出すのがやっとだった…

「姉…ちゃ……ん」


弱々しい震える声が…

耳に入る


どうしたのって…心配しながら

固まった足を必死に動かして


救急箱を取りに行く

もう一度、ゆっくり

どうしたの…って問いかける
優太は、

「…っ…………」

少し顔を歪め、黙る


それから、ぁ、と小さな声を

あげて

「階段から…ぉ…落ちたんだ…

それ…だけ…だ…から心配しない…で」

嘘だ…


階段から落ちただけで

こんなに痣が出来る訳がない…!



「嘘つくな。優太、

それが本当ならちゃんと

姉ちゃんの目ぇ見て話な。」


それでも、優太は一向に

目を合わせようとしない…


その時、


ガチャガチャ…カチャンッ


やばい…帰ってきた……