居なくなった隣の君

まだ名字が如月じゃなかった時

私には二個離れた弟がいた

いつも、


自分の後を追いかけてきて

すっごく可愛かったんだ

自慢の弟だった…

でも、そんな幸せな毎日も


アイツのせいで全て壊れた…

そう、実の父親に、


実の父親だなんて認めたくなかった


ギャンブルを何よりも愛し

勝った日には良い父親面。


負けたときには、私にあたる


母親は弟、優太を少し

世話をして、この世を去った


だから、親戚も父方の祖母と祖父しか


いなく、本当に味方がいなかった

そして、私が五歳

優太が三歳の時悲劇は


虚しくも突然訪れた


幼稚園のお泊まり会で私は

家を一日空けた…



この時、仮病でも使って

休めば良かったんだ


私のただいま…と小さな声が

玄関に響く


可笑しい…

優太が来ない