居なくなった隣の君



「叶多っ!」

できる限りの小ささで

叶多を呼ぶ


「ぇ、千春!?」

どうしてとでも言いたげな

表情を悟りいいから!と


付け加えた


「授業抜け出していいの?」


少し目に涙を溜め私に問いかける

「お前さ、人より自分の心配しな。


それに、知ってるでしょ
一応、私勉強は得意な方だって

だから、大丈夫。肩かして」

できるだけ叶多に迷惑を


掛けない言い方をして肩をもつ


肩をかしてから数分

保健室に着いた。


ガラッとドアを開けると

独特の薬品の臭いが鼻を刺激する


「叶多、そこ座って」


半ば無理やり叶多をベットの上に

座らせる


それから、薬品箱を取りに行って

染みるよ…なんて優しい声をかけた


すると、見事に顔を歪めた


頬っぺたに絆創膏を張る


テキパキとしてた手が

叶多の声によって静止される