何だろう…この瞳に吸い寄せられそうなほど綺麗な目をして居る…

「い…ぉい…おい‼」

「え⁈」

「いつまで俺の事見つめてんだよ」

「え、あ…ごめんなさい…綺麗な目だなっておもちゃって…つい…」

「まあいい、ここ寒いし、陽も落ちてきたし、帰るぞ」



「あ、はい!」
何だろう…今あったばかりなのにこんなにも安心感があるなんて…

青木くんと下駄箱まで行くのに近道をしようと裏階段をおりていたら…

「ん…ふぁ…ゆ…ぅ…ひ…とッ…きちゃうよぉ……?」

「さすがに来ないだろ裏階段だし」

いやな声…それは私の彼氏優が女の人にキスをして居る声と油断している優の声…

私は女の人と喋ってるところまでは許せたけど…キスまで許せる優しい女じゃないよ…

この感情は嫉妬では無い…怒りと悲しみが混ざった感情…
けど悲しみが強かったらしく
涙が溢れた…

「グッ…ふぇ…グスンッ…ふっ……」
あぁ……私は何回泣けば涙は枯れるのだろうか…
そんなことを思っていたら…"ギュッ"

え?…私…青木くんに抱きしめられてる?…

「藍那…そんなに苦しいなら…俺にしなよ…」

私は早くこの嫌な感情から逃げたかった…





"コクンッ"

首を……縦に振ってしまった…


まだ涙は流れている…悲しみと怒りの…

けど次の瞬間違う涙が流れた…感情が違う…