その後、投球を重ねるに比例して膨れっ面になるぼくに、益々笑顔に磨きが掛かるあかり。
無限に続く永遠の時の刻みの中で、二人が共有している時間はほんの一瞬なのだろう。
それでも万物の原型である《真理の形状》を転がす度、ぼくらの心の軌道は惑星が直列する数億年に一度の巡り合わせのように、ほんの少しずつでも着実に接近している気がした。
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ボウリングの後、ぼくはあかりを食事に誘った。
以前に会社の同僚と何度か足を運んだことのある、和洋折衷な居酒屋風のお店に案内した。
彼女は水商売という職業柄、飲酒の経験はあっても、プライベートではあんまり飲んだりしないと言っていた。
それに厳密にいうとまだ19歳だから、ぼくから無理に勧める訳にもいかなかった。
彼女が勤めるお店以外の場所で、二人でお酒を酌み交わすことを仄かな楽しみにしていただけに、正直ちょっと拍子抜けしてしまった。
ぼくは、そんな落胆した自分に景気をつけようと『とりあえず』のビールを一杯だけ飲むことにした。

