「うああん…っ」 転んだあたしは、わんわん泣いていた。 大した怪我でもないのに、痛くて。 君に、心配されたくて。 「な、なくなって…!ほら、これやるから!」 慌てたようにポケットを漁って、 ころん、と掌に乗せて差し出されたのは、 ピンク色のキャンディ。 「…あめ…?」 ぐすん、と鼻を啜りながら聞く。 「そう、あめ。いちごのあめ!」 あの日から、今でもずっと…