「は、づき」 戸惑ったように、ぎこちない感じであたしの名前を呼ぶ廉。 その声でずっと、ずっと呼んでほしかったんだ。 廉に。 「…廉、あたしね、」 「葉月、!!!」 あたしが最後まで言葉を言う前に、あたしの名前を叫ぶ廉。 人気のない購買に廉の声が響いた。 誰もいないみたい、な。そんな感じ。