・・・

その書類は、

義嗣のデスクの中にしまわれ、

明日のコンペまで保管。

・・・

それぞれ家に帰ろうと、

挨拶をすると、バラバラに散った。

・・・

私は一足遅れて、

オフィスを出る。

・・・

「・・・大久保」

デスクに座ってる義嗣が、

私に声をかけた。

・・・

今は二人きり。

・・・

でも、私と義嗣の距離は、

あいている。

何も心配することはない。

・・・

「何ですか、東条部長?」

私は義嗣に向き直り、答えを待つ。

・・・

私を見つめた義嗣は、

優しい顔で微笑んだ。

不覚にも、ドキッとしてしまった。