私は驚き、

後ろを振り返る。

・・・

でも言葉は出ない。

なんて言ったらいいのか。

・・・

「今日は仕事休んでどうした?

遥斗も家にいるし・・・

遥斗、風邪でもひいたのか?」

・・・

片手は私を抱きしめたまま、

もう片方の手で、遥斗のおでこを触る巧。

・・・

「…熱はないみたいだな」

・・・

そう言った巧は胸をなでおろす。

・・・

「・・・うん、でも、

遥斗、具合悪そうだったから・・・

巧、仕事は?」


「早めに仕事を終わらせて、

早退してきた・・・

遥斗より、夏樹の方が、具合悪そうだぞ?」


「・・そ、そんなことないよ?」

そう言って精一杯笑顔を作って見せた。