【続】意地悪なご主人様

「あのまま、

ここには来ないと思ったのに、

来たんですね」

・・・

唇の血を拭いながら、

信也が言った。

・・・

「全部、話したよ。

オレと夏樹が夫婦だってこと。

みんな驚いてたけどな?」


「当たり前じゃないですか?

夫婦が、同じ部署にいるなんて、

聞いたことありませんよ」

そう言った信也はクスッと笑う。

・・・

「これでもう、

藤田は夏樹に手を出せない。

いや、出させない。

夏樹はオレの妻だ。

今度何かしたら、ただじゃおかないからな?」


「・・フッ。

もう、殴られるのはこりごりですよ。

一発殴られれば十分。

部署は今更代われませんので、

そこは大目に見てくださいね?」