「このコンペが終われば、

大久保は、海外企画部に変わる。

そして俺は、海外赴任が決まってる」

・・・

海外赴任?

・・・

その言葉に、

オレも驚いたが、

夏樹はもっと驚いていた。

・・・

「・・・いつまで?」

・・・

「・・・そうだな。

死ぬまで…と言っておこう」


「ずっと海外で生活するのか?」


「ああ。

向こうも歓迎してくれてるしな。

オレの生きがいは、今は仕事だけ。

そのうち、向こうで、いい女見つけるさ」


「東条部長」

・・・

涙を荒く拭った夏樹は、


義嗣の顔を見つめる。


「そんな顔するな。

そんな顔してたら、このままお前を連れ去るぞ?」