「いや、作らなくていいよ。俺、さっき買ってきたから」
…いつの間に。
雪夜がテーブルに並べたのは、スパゲティのタラコ味とミートソース。
「雪音、どっちがいい?」
「…逆に雪音は、ミートソースでしょ?」
「…ふっ、あぁ」
やっぱり。
クスリ、と笑いながらイスに座って食べ始める。
「「…いただきます」」
結構、量が少ないこのスパゲティは雪夜があたしのために買ってきてくれたのだろう。
雪夜と違って、あんま食べれないあたしのために。
「(…おいしい、)」
そう思いながら、食べ進める。
さっきまで、山盛りだったスパゲティが消え、プラスチックの皿だけが残った。
それを雪夜はあたしの分まで回収してゴミ箱へ。
冷蔵庫から取り出したのか雪夜の手元にはミルクティがあって。
