「兄貴悪ぃ。家に帰る」
「あ…?もうちょいなのにか?」
「…俺らは兄貴の依頼場所がどこなのか分からない。今もどこに向かっているのか分からない」
そう俺が言うと小さな声で、しくった…、呟いて近くにあったコンビニの駐車場に車を停めた。
「あー…、書くの忘れてたな。ははは」
「兄貴。これ、誰からの依頼?」
…直球過ぎるだろ、雪音。
「…もう、バレたか」
諦めたのか、全て話し始める兄貴。
「その依頼はさ、俺のバイト仲間の女の子からなんだよな」
女の子…??
兄貴が?
「お前らの話をしたら、頼まれた」
「ふーん、」
「へぇ…」
「俺としたことが、場所聞いて書く前にお前らに渡したんだな」
「…これ、何のための依頼?復讐とか却下だから」
うん。
俺もそう思った。
何回か“復讐のため”という依頼が来たが、そういうのは全て却下。
…んなもん、他当たれっつうの。
それか、自分でやれよ。
俺ら関係ねぇじゃん。
