「…あ?」
「…この依頼ってさ、」
よく、この暗い中見れるよな。
依頼の紙を見ながら言う雪音は、いつもより顔が真剣で。
何か、分かったようなスッキリとした顔にも見えた。
「……ほんとに兄貴からの依頼なのか?」
「…は?」
「……」
「…どゆ意味、それ」
「いや、だから…本当に兄貴から?」
「あぁ。兄貴がFAXで送ってきた」
「…ふーん、」
気にくわなさそうな返事が返ってくる。
「(何を分かったんだ?)」
こういう時だけ分からない…
あぁ、恨みたいよ。
自分を。
知ってはいけない事は知っちゃって、重要な事には気づかない。
何なんだよ、まじ。
こんな、自分がむかつく。
同い年なのに…
雪音の方が一歩前にいる
雪音の方が大人に見える
