“あの時”と同じ時間帯
それはまた何かが起こりそうで。
話し合って決めたわけじゃないけど、いつの間にかそうなっていた。
『おー、雪夜か。何か用か?』
ワンコールで出る兄貴
「迎えに来てほしい。それと、目的の場所まで送っていってほしい」
『はいはい。今行く』
「よろしく、」
ぶつり、と雑な切り方をする兄貴はいつもと変わらない…
…が、何だろう。
「(何かが“違う”)」
はっきりと分からない“違い”は怖い
珍しく依頼が2件きているからなのだろうか。
いつもと“違う”。
ここに漂う空気も“違う”
同じ日常を過ごしているのに。
そんな日常の変化は気づきそうで、気づかない。
その“気づかない違い”が怖い。
“あの時”もやっぱりそうだった。
誰がこの“違い”を作り出しているのか?
聞いても答えは返ってこない。
…当たり前なんだけどな
「…ねぇ、」
突然、雪音が口を開いた
