店の名前は、“secret X”(シークレット エックス)




その店へ雪夜が先に踏み入れる。


からんころん、とちょっと洒落(シャレ)た音を出しながら開くドア




「いらっしゃ…―――お、めっずらしー」


ここのマスターの白兎(ハクト)は兄貴の親友



誰もいないこの店は、結構な“役職”の人でなければ分からないと思う。



「俺、カクテル。雪音は?」


「ウォッカ。…やっぱ、タピオカ入りのココナッツカクテル」


「そんなのあんのかよ、」

「うん。前に作ってもらっておいしかった」




「(…どんだけ、タピオカ好きなんだよ)」



「お前ら、未成年だろ……とか言って出す俺も悪い人だな」



くくっ、と笑いながらあたし達が頼んだものを出す。




「「(…やっぱりいつ見ても兄貴に似てる)」」