蒼希…とその片割れ。
その二人があたし達の前にいて。
女の扱いに慣れている雪夜は蒼希の片割れちゃんの頭に手を置いている。
「(…バカだわ)」
真っ赤になって俯くこの子もそうだけど。
まぁ、あの蒼希の片割れだったら男が近づいて来ねぇもんな。
なんて思いながら片割れちゃんから目を逸らし、雪夜を見る。
「友達以上恋人未満みたいな」
ん…?
話進んでる。
「早く行くぞ、雪夜」
「いいじゃん。もうちょっと」
はぁ…??
「いつも早くって言ってんのは雪夜だろ?」
あー、なんかイライラしてきた。
蒼希と片割れちゃんは、そんなあたしをガン見。
「(何ですか…?)」
蒼希と…片割れちゃん。
片割れちゃんの方、名前分かんないや。
「じゃあ、ね。水希ちゃんと蒼希」
「(水希…ちゃん?)」
あれ…??
何か聞いた事があるような…
ないような…?