「はい!すいません…」

私は綾乃が持ってきてくれたパジャマとタオルを貰ってお風呂に入った。

お風呂からあがると綾乃のお母さんはもう寝ていて綾乃だけリビングでテレビを見ていた。
「あ、おかえりー何か食べるー?」

「え…でも、もうこんな時間だよ?」

「どうせ、寝れないくせに。一緒に起きててあげるから明日の昼食奢りなさいよ?」

「綾乃…」

綾乃…ありがとう。本当にありがとう。

「ほらほら、早く座って。コレ食べよ?あ、甘いものでよかった?」

「うん!甘いもの大好きだから!早く食べよ!!」

私が笑顔でそういうと綾乃は優しい笑顔で微笑んだ。

ごめんね、心配してるんだよね。私が壊れちゃうんじゃないかって…。
でも大丈夫だよ?私には綾乃がいるから。綾乃だけがいてくれれば…
それでいい…。

それから私たちは映画を見たり、まったりした時間を過ごした。

そしていつの間にか寝ていて、朝起きるとお母さんが朝食を作っていた。

「起きた?ごはんできてるから二人とも顔洗っておいで」

私と綾乃は目を合わせて笑った。

本当に綾乃…そして綾乃のお母さん…、ありがとう。
こんな汚い私を家に入れてくれて…。
このまま私も綾乃の家にいたい。でもそんなわけにはいかないんだよね。
綾乃たちにこんなこと言ったら絶対「ずっといて、いいんだよ!」って言うと思う。
でも…いくら親友でもやっぱり他人が自分の家にいたらきっと疲れちゃうと思うんだ。
だからずっと……綾乃ん家にいるわけにはいかない。

あと何日かはここにいさせてもらおう。
でも……ずっとここにはいられない。

「忘れ物ない?気を付けていってらっしゃい!」

「はーい!」

「いってきます!」

綾乃のお母さんは玄関からずっと手を振ってくれた。
そして、綾乃と私も振り返した。

「ねー空。ずっとここにいていいんだからね?」

ほんとに…この子は勘の鋭い子だ。
なんで私の考えてることがすべてわかってしまうんだろう。

ここは嘘をついておくべきだね…。
綾乃だけには嘘はつきたくなかったけど…これは親友としての嘘だから。
怒らないでね…?

「わかってるよ。綾乃ん家にお世話になるのは嫌だけどずっと綾乃といられるからお世話になるぅ~!」

綾乃はさっきの心配した顔が嘘のように明るい笑顔になった。

「お世話になっていいんだって!だって空は私の大好きな親友だもん!」

「うん!私も綾乃のこと大好き!!いつもありがとね!」

「何言ってんのー!いつもお世話になってるのは私だよ~!」

そんなラブラブな私たちは手を繋ぎながら学校へむかった。
クラスが一緒な私たちは休み時間もずーっと一緒にいた。

綾乃…私たちは永遠の親友だよね…?

いつも、ありがとう。